房総名物「鯛せんべい」
 

鯛せんべいの由来

1264年、日蓮宗の開祖日蓮が、父祖の供養のため鴨川へ帰ったおり、海に向かって祈り南無妙法蓮華経の題目を書いた。その後、波の上にその文字が現れ、同時に多数の鯛が寄り集まって、その題目を食べ尽くしてしまった。住民達は奇跡に驚き、以来、鯛を聖人の生き姿と考えて信仰、殺傷禁断の聖地とし、数百年間餌を供して守護し続けてきた。』という伝説に由来する。現在では国の特別天然記念物に指定されている。その鯛に因み大正時代に町内の「鈴木屋洋物店」店主、鈴木貞作が観光地に相応しい銘菓をと提案し、天津小湊の「廣木堂」(現在は製造していない)で「小湊名物 元祖 鯛焼煎餅」として作られたのが鯛せんべいの始まりとされている。「妙の浦」の鯛は禁漁となっており、、せめて形だけでもと、妙の浦の朝日輝く波間に跳ねる大鯛を模して考案。当時は小麦粉に砂糖を加え、鯛の鱗に見立てた白胡麻をまぶして焼いていた。後に口あたりをよくするために鶏卵を加え、白胡麻をけしの実に変えるなど試行錯誤が繰り返され戦後、現在の姿になった。
鯛せんべいの製法
鯛せんべいの製法 原材料には主に砂糖、小麦粉、鶏卵、けしの実を使用。手では割りづらいほどの硬さで、口当たりは焼き八ツ橋に似ている。鯛の鱗に見立てた白胡麻をまぶして焼いた面と反対側はお店の名が入っている。鯛の形をした甘いせんべい。
  柔らかめの種を図柄入の銅型に薄く流し入れて焼き上げる。その際、裏面が白くなる様に、下火をほとんど使わず、ほぼ上火のみを用いる為、型にくっついてしまい、手作業以外では綺麗に剥がす事ができない。焼きあがり直後のまだ熱いうちに、「目打ち」という先の尖った道具で剥がし、木製のトイ型の上に並べて反りを付ける。職人の手によって一枚一枚手作りで作っている。

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